自然保護に興味があり、森林保護を推進したいと思うならば、私たちにできる事を知らなければいけません。そのために役立つのが、森林生態学です。森林生態学というのは、植物や動物など森の中にある生き物の多様性やそれぞれの関わり方などを研究していきます。森林生態学を学べば、自然保護・森林保護のために人間がやるべきことが見えてきます。
たとえば森林を維持するためには人が何も手を加えない状態よりも、間伐をしたほうが良いとされています。木を切ることがなぜ森林保護になるのかというと、木々が密集していると、陽の光が地面まで届かず背の低い草や木の成長が止まってしまいます。しかし、適当に間引けば、地面まで明るく照らされます。しかも、間隔が広がることで根が土の中で長く伸び張り巡らされます。そうすれば雨が降ったときに土砂崩れが起きるのを防げるので、森林の動植物だけでなく周辺に住む人たちの生活も守れます。
しかし、日本では林業に携わる人が減っていますし、持ち主がわからない土地も増えています。そのため手つかずの森林が増えてきています。そこで私達にできる事は何かというと、自然保護を目的として間伐を促進する取り組みに参加することです。たとえばインターネット上は様々なクラウドファンディングを募集していますが、間伐事業も中にはあります。資金が集まれば必要な人や機械が揃いますし、その後にキャンプ地などをつくれます。間伐材も資源として販売できますから、そうして生まれた利益が投資した人に還元されます。ちゃんと利益の出るビジネスモデルとして確立すれば、将来的に間伐を続けることができます。
また持続可能な形での森林保護ということではフォレストアドベンチャーというのもあります。フォレストアドベンチャーとは沖縄の恩納村などにある自然を利用した施設のことで、様々なアクティビティが楽しめます。このフォレストアドベンチャーの利用料金が、森林を整備するために使われます。適度に人の手が入った森林では、危機が健やかに成長し人だけでなく動植物にとっても心地よい場所へと変わります。そのフォレストアドベンチャーで私たちにできる事は何かというと、単純な話で遊びに行くだけで十分です。利用料金を払うことがすなわち森林保護になるのですから、難しい技術や知識など必要ありません。またそうした施設に家族で遊びに行けば、大人だけでなく子供の意識も変わり、日々の生活で環境を守ろうとか資源を有効に使おうと思うことが増えていきます。一人ひとりがそういう自然保護を意識するようになれば、森林を後世に残す上で役立ちます。