沖縄の野鳥として有名なヤンバルクイナは、ツル目クイナ科ヤンバルクイナ属に分類される鳥類のことで、沖縄北部ヤンバル地域固有種で鳥でありながらほとんど飛ぶことができないのが特徴です。1978年に研究員に最初に発見されてから複数の目撃例があり、1981年に特別調査チームが編成されて初めて成鳥・雛鳥が捕獲され、1982年には国指定の天然記念物に指定されました。生息数は年々減少しており、1985年-1986年には1800羽の生息が推測されていますが、2005年では推測生育数は720羽とほぼ半減しているのが現状です。原因としてはマングースの生息域の南部からの北上拡大・猫による捕食や自動車による轢死などが推測されているそう。環境省も沖縄県も総力をあげて、森林保全やマングース・猫マングース対策などがとられていますが、地域経済の振興と自然保護は重大な課題です。
そこで最近注目されているのが、フォレストアドベンチャーという取り組みになります。フォレストアドベンチャーの概要を紹介すると、起源は1997年にフランスのアルタス社が事業を開始したアウトドアパークの名前です。サービス提供当時はスイスの企業研修用に作った施設でしたが、予想外の好評を博したことで一般に開放されるようになりました。その後h複数の同様の施設がフランス国内で普及し、その取り組むは世界中に広がっています。
フォレストアドベンチャーの基本理念は、「自分の安全は自分で守る」ということにあります。大人も子供も各自が安全器具を装備し安全を確保しながら前に進みます。醍醐味は「誰もが真剣に楽しむ」こと、大人は子供にかえり、子どもは大人になり、ここでしか体感できない時間です。
フォレストアドベンチャーの最大の特徴は、自然の森をそのまま活用することです。一般的なアミューズメント施設は自然をメインにするものでも多少の開発工事は必要になります。このような開発工事をすることがないので、森林保全と娯楽の提供を両立することが叶い自然保護お精神にも合致するわけです。フォレストアドベンチャーを整備して、ビジネスとして成立させる一方で、その収益の一部を森林整備作業に充足する、そのように収益を森林保存に還元する循環型のb次ネスモデルがここに成立をみました。自然保護をより積極的に推進し、外来生物などは廃除する一方、固有種の繁殖や存続を促進するなどの恩恵は、ヤンバルクイナの生育数回復にも寄与することが期待されています。