“日本にも森林公園が数多くありますが、大体が安全のために手が加えられていたり、人工の林であることが少なくありません。しかし海外の森林公園だと、自然のままの状態でほとんど人の手が入っていないことも多いです。そんな自然の中に掛けられている吊り橋がキャノピーウォークで、普通の橋とは異なり向こう側に渡ることが目的ではなく、渡りながら周囲の環境を観察するために使用します。
キャノピーウォークはいくつかありますが、そのほとんどがマレーシアに掛かっています。移動が目的でないにも関わらず、世界的に見ても最長クラスを誇る吊り橋です。マレーシアは日本とは異なる熱帯雨林気候で、空を覆い尽くすほどのジャングルが広がっています。常に鳥類の声が響き渡り、野生の環境を間近で感じることができます。
キャノピーウォークはその中に生えている樹を柱としていて、ただワイヤーやロープでくくりつけられているシンプルな構造です。幅も人がやっと歩ける程度で、足を横に揃えるとはみ出してしまいます。ですが落下防止用の網が横に張り巡らされているので、落下してしまう可能性はまずないでしょう。吊り橋なのでもちろん揺れて、スリルを楽しむことができます。
高さは掛けられている場所によって様々ですが、数十メートルはあります。そのため前後左右に上下を加えた360度のほとんどを、自然に囲まれるという体験ができます。普通の日常生活では見ることができない、高い木の上部分までが目の前に来ます。基本は1人ずつ渡るためスムーズに進まなければなりませんが、長いものだと複数の木を渡してあり、その間には待機するスペースが確保されています。そのため高い場所からじっくりと周囲の環境を観察することもできます。
キャノピーウォークはマレーシアでもジャングルの奥深くに設置してあることが多いので、首都からだとバスやボートを使用するなどで数時間はかかります。そして周辺には他の観光スポットやアクティビティもあるので、吊り橋だけを目的にするのではなく、プランのひとつに組み込む形にした方が良いでしょう。
最も長いキャノピーウォークが設置されている森林公園には宿泊施設もあるため、複数日を利用して楽しむことも可能です。ジャングル全体がひとつのスポットとなっていて、野生の環境を楽しむために世界中から大勢の人が訪れます。またキャノピーウォークだけを楽しみたいのであれば、首都近くの自然公園にもあります。”