“沖縄で自生する植物のフローラは、県木のリュウキュウマツや県花のデイゴが有名です。前者のリュウキュウマツは、沖縄において広く分布する特有の木で、経済価値が高いといわれています。美しい姿も魅力的ですが、木材として実用的に使えたり、木目が工芸品の価値を高める側面もあります。後者のデイゴは県民に愛されている花の1つで、県内の何処に足を運んでも見られることから、島全体の魅力となっています。
郷土の花でフローラですが、県民が無意識的に自然保護をしていたり、県の地道な取り組みで美しい木々や花が守られているわけです。沖縄の木々は他にも、高木だとマメ科のアカバナハカマノキやノウゼンカズラ科のイッペイが有名ですが、数ある木々を全て挙げるとなると大変なほどです。季節を問わず年間を通して様々な花の開花が楽しめますから、改めて沖縄は花に包まれ、そしてフローラに溢れている土地だといえます。
一方、中木ではタデ科のアリノキやアカネ科のクチナシ、アオイ科のサキシマフヨウなどがあります。こちらも1年中何かしらの花が咲くので、見る人を飽きさせませんし、公園や学校でも珍しくありませんから、大人も子供も楽しめます。低木やツル性の花木に果樹類を含めると、とにかく種類が豊富でバラエティに富んでいます。
沖縄特有の種類が少なくないですから、自然保護を考えるのは当然ですし、これまで県民が地道に努力を続けてきたからこそ今があるでしょう。近年、沖縄は林業や木材産業の振興に力を入れ始めていて、多様性や特有の魅力を価値に活かした活用を促進しています。色合いや木目など、他の地域の木々では得られない沖縄ならではの特性が付加価値になります。
普及や需要拡大を狙って大々的にPRをしていますから、今後県外で沖縄の木を使った製品が流通するものと考えられます。ただ、活用ばかりに力を入れると、いずれ自然保護の必要性が急激に高まりかねないですから、バランス良く活用することが大切だといえるでしょう。
人と自然の共生が実現している沖縄では、都会では見られない豊かな木々が出迎えてくれます。これはもう県民だけでなく、日本人全体の価値ある光景として、自然保護に努める必要があると思われます。植物フローラの形成は一朝一夕では不可能ですから、島の形は時間を掛けて形作られてきたものです。
基本的には南国の雰囲気ですが、他国の南の島とも違いますし、やはり沖縄は特有の木々による独自の美しさがあるのが魅力的です。”